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インターフェースデザインの心理学 感想

インターフェースデザインの心理学 とは

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

 

 

この本は 人々の心を捉えるにはどうすればいいのか ということについた書かれたインターフェースデザインの本です。

オライリー・ジャパンが発行元のため、エンジニアには本書の信頼度の高さが分かると思います。

 

デザインは相手から反応を引き出すための大事な要素です。

買ってほしい、読んでほしい、行動してほしいなど、相手を誘い出すためにデザインをします。

人間の行動原理を理解していないデザインは相手を混乱させるだけで目的の結果を得ることができません。

 

本書では全てのデザイナーが知るべき100の指針を実践例とともに紹介します。

その全ては科学的な研究から導き出されたものです。

これらの指針を理解してデザインをすれば、人間の思考や行動、遊び方にマッチした直感的で人を引きつける製品 ー 印刷物、ウェブサイト、アプリケーション、ゲーム ーを作れるようになります。

 

概要

この本には

普段意識していない、無意識下にあるインターフェースデザインのルール

が書かれています。

全10章に分かれていて、100個のインターフェイスデザインに関する指針について書かれた本となっています。

翻訳本のため一部日本語が変な箇所がありましたが、参考論文や画像付きの解説などが多くあるため大変読みやすいです。

 

せっかくなので100の指針の中からいくつかの指針をご紹介します。

 

目が受け取る情報と脳が受け取る情報は違う

外を歩いている時、目が察知した情報が脳に送られ、それを脳が処理して私たちが感じ取ります。

この時「脳は目が察知した外界の様子をそのままリアルに送ってくれている」と思えるかもしれません。

しかし、「脳が私たちに伝えるもの」と「目が私たちに伝えるもの」は微妙に違うのです。

脳は以下の例の様に目に入るもの全てに対して「解釈」を加えて私たちに伝えているのです。

 

何もないところに三角形が見える「カニッツァの三角形」

 

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長さが異なる様に見える「ミュラ・リヤー錯視」

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皆さんのウェブページを閲覧してくれている人は、みなさんの期待や予想とは違った見方をするかもしれません。

何をどう見るかは、閲覧する側の経歴や知識、対象への馴染みの深さによって異なります。

 

一度に覚えられるのは4つだけ

人間工学、ユーザビリティ、心理学、記憶などの分野に関心のある人なら、きっと「魔法の数字は 7± 2 」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。

しかしこれは筆者に言わせれば都市伝説です。

ジョージ・A・ミラーによると「人が一度に記憶できるのは5個から9個」と言うのです。

この説に従うと、メニューの項目は5つから9つに、感情のタブは5つから9つにしなければならないと言うわけです。

しかし、これは少し間違っています。

ミラーの 7± 2 という説は研究に基づいた数字ではなく、講演の中で自分の考えを述べたに過ぎません。

後にミラーの説に疑問を持ったアラン・バットリーはこの説に関する様々な実験を行いこの説の否定をしました。

他の研究者もバッテリーの研究を継続し、現在では魔法の数字は4であることが分かっています。

一度に覚えることができる数は4個ですが、チャンクを使うことによって5つにも6つにも増やすことができます。

チャンクとは情報をいくつかのまとまりに分けてグループ化することです。

電話番号や車のナンバープレートなどはその一例です。

7125694532

よりも

712-569-4532

となっていた方が覚えやすいはずです。

デザインをする際に、相手に掲示する情報を4項目に限定できるなら、それは素晴らしいことですが、そこまで徹底する必要はありません。

情報をいくつかのチャンクに分けられるのであれば、情報はもっと多くて構わないのです。

 

感想

この本を読むことによって改めてインターフェースデザインのルールを認識することができたので、モノづくりをする人として役立ちました。

デザイナーとかプランナー向けの本ではありますが、エンジニアの人も読んで損はないと思います。

 

 

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

 

 

以下の本もデザイン心理学に関する本なので、この本に興味を持った方におすすめです。

 

続・インタフェースデザインの心理学 ─ウェブやアプリに新たな視点をもたらす+100の指針

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子どものUXデザイン ―遊びと学びのデジタルエクスペリエンス

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